News

コラム

管理美容師とは?資格の取得条件・講習内容・メリットをわかりやすく解説

2026.08.15

「管理美容師ってどんな資格?」「自分も取ったほうがいいの?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。

 

管理美容師は、美容室の衛生管理を担う責任者として、美容師法で配置が義務づけられている資格です。常時2人以上の美容師が勤務するサロンには、必ず1名以上の管理美容師を置かなければなりません。将来の独立開業やキャリアアップを考えている美容師にとって、取得しておきたい重要な資格の一つです。

 

この記事では、管理美容師の役割や資格の取得条件、講習会の内容と費用、取得するメリット、そして美容学校選びとの関係まで、実務に役立つ情報をまとめています。まずは下の表で、この記事のポイントを確認してください。

 

\ 美容師への第一歩を踏み出そう /

山野美容芸術短期大学では、美容師免許の取得はもちろん、短期大学士の学位や幅広い美容スキルを在学中に身につけられます。管理美容師を目指す方にとって、衛生管理の基礎を学べる環境が整っています。

まずはオープンキャンパスで学校の雰囲気を体感してみませんか? → オープンキャンパスの詳細はこちら

 

管理美容師とは?役割と制度の基本

 

管理美容師という資格について、まずは基本的な定義と制度の背景を押さえておきましょう。美容師として働くうえで、なぜこの資格が必要とされているのかを理解することが、キャリア形成の第一歩になります。

 

管理美容師の定義と法律上の位置づけ

 

管理美容師とは、美容室における公衆衛生と衛生管理の専門知識を持ち、店舗の衛生環境を管理する責任者です。美容師法第12条の3に基づいて設けられた制度であり、1968年(昭和43年)の法改正によって導入されました。

 

美容室では、お客様の髪や肌に直接触れる施術を行います。ハサミやバリカンなどの刃物を使用するほか、パーマ液やカラー剤といった化学薬品も扱います。こうした環境で安全なサービスを提供するためには、店舗全体の衛生状態を専門的に管理する人材が欠かせません。

 

管理美容師は、飲食店における食品衛生責任者と同じような役割を担っています。個々の美容師が自身の衛生管理を行うのはもちろんですが、管理美容師は店舗全体を見渡して衛生面のリスクを把握し、感染症の予防や器具の消毒体制の整備、スタッフの健康管理などを統括します。

 

美容師免許の取得や国家試験の詳細については「美容師免許とは?取得方法・国家試験の内容・合格率・活かせる仕事を解説」の記事もあわせてご覧ください。

 

管理美容師が求められる背景と衛生管理の重要性

 

管理美容師制度が設けられた背景には、美容業界特有の衛生リスクがあります。美容室では不特定多数のお客様に対して施術を行うため、器具や設備を通じた感染症の拡大を防ぐ仕組みが不可欠です。

 

たとえば、カット用のハサミやクシ、シェービング用のカミソリは、適切な消毒を行わなければ皮膚疾患や感染症を媒介する可能性があります。タオルやケープなどの布製品も同様です。管理美容師は、こうした器具や設備の消毒方法を正しく理解し、スタッフに対して衛生教育を行う役割を担います。

 

厚生労働省が公表している「美容業の振興指針」でも、管理美容師資格認定講習会は「店舗の管理者にふさわしい衛生管理の知識や意識を点検し、その徹底を図るための重要な制度」と位置づけられています。美容師として経験を積むなかで改めて衛生管理の知識をアップデートする機会として、管理美容師の講習会は大きな意義を持っています。

 

管理美容師の制度に関する法律の詳細は、厚生労働省の公式ページ(美容師法概要|厚生労働省)で確認できます。

 

管理美容師が必要な美容室の条件

 

すべての美容室に管理美容師が必要なわけではありません。ここでは、どのような条件のもとで配置義務が発生するのか、また違反した場合にどのような処分があるのかを解説します。

 

美容師法で定められた配置義務

 

美容師法第12条の3では、常時2人以上の美容師が勤務する美容室の開設者は、その美容室ごとに管理美容師を置かなければならないと定めています。

 

ここでいう「常時2人以上」とは、正社員やパートタイムといった雇用形態にかかわらず、日常的に2人以上の美容師が働いている状態を指します。つまり、オーナー1人だけで運営している美容室であれば管理美容師は不要ですが、スタッフを1人でも雇って2人体制になった時点で管理美容師の配置が必要になります。

 

なお、美容室の開設者(オーナー)自身が美容師免許を持っているとは限りません。経営者が別にいる場合でも、開設者の責任として管理美容師を確保しなければならないという点を覚えておきましょう。

 

違反した場合の罰則・行政処分

 

管理美容師の配置義務に違反した場合、都道府県知事は期間を定めて美容室の閉鎖を命じることができます(美容師法第15条第1項)。これは行政処分であり、営業停止という非常に重い措置です。

 

開業前にスタッフの採用計画を立てる際には、管理美容師の有資格者を確保できるかどうかを早い段階で確認しておくことが大切です。講習会の開催頻度は地域によって大きく異なり、地方では年に1回しか開催されないこともあります。定員を超えると抽選になるケースもあるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。

 

美容師としてのキャリア全体の流れを知りたい方は「美容師になるには?必要な資格・学校選び・仕事内容・年収まで詳しく解説」をご覧ください。

 

管理美容師になるための条件と資格取得の流れ

 

管理美容師の資格を取得するには、一定の実務経験と所定の講習会の修了が必要です。ここでは、具体的な条件から申し込み方法、講習内容、費用まで順を追って解説します。

 

受講に必要な2つの条件

 

管理美容師資格認定講習会を受講するためには、次の2つの条件を両方とも満たす必要があります。

 

第一の条件は、美容師免許を取得していることです。美容師免許は、厚生労働大臣が指定する美容師養成施設(専門学校や短大)を卒業し、美容師国家試験に合格することで取得できます。

 

第二の条件は、美容師免許を取得した後に美容室で3年以上の実務経験があることです。この3年間は美容師として実際にサロンで勤務した期間を指し、美容学校に在学していた期間は含まれません。

 

つまり、美容学校を卒業して国家試験に合格し、サロンに就職してから最短3年後に管理美容師の講習会を受講できるようになるということです。美容師国家試験の内容については「美容師国家試験とは?試験内容・合格率・受験資格・対策方法を詳しく解説」で詳しく紹介しています。

 

管理美容師資格認定講習会の申し込み方法

 

管理美容師の資格を取得するには、都道府県知事が指定する「管理美容師資格認定講習会」を受講します。この講習会は、公益財団法人 理容師美容師試験研修センターが実施機関となっています。

 

申し込みは、理容師美容師試験研修センターのホームページからのWEBエントリー、または郵送によるエントリーで行います。東京都など人口の多い地域では年に5〜8回程度開催されますが、地方では年に1回しか開催されない県もあります。

 

講習会には定員が設けられており、エントリー人数が定員を超えた場合は抽選になります。そのため、条件を満たしたらできるだけ早めに申し込むことをおすすめします。「来年開業したい」と考えていても、講習会の抽選に外れてスケジュールが遅れる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

 

講習の内容と科目・時間数

 

管理美容師資格認定講習会の講習科目は「公衆衛生学」と「美容所の衛生管理」の2科目で、合計18時間のカリキュラムとなっています。通常は3日間にわたって実施されます。

 

公衆衛生学(4時間)では、感染症の種類と予防方法、公衆衛生に関する法規制、環境衛生の基礎知識などを学びます。美容所の衛生管理(14時間)では、美容室における具体的な消毒方法、器具や設備の衛生管理、美容師法・理容師法に基づく構造設備の基準、医薬部外品の取り扱い、衛生管理計画の立て方と自主点検の方法などを学びます。

 

講習の最後にはレポート(課題)の提出が求められ、これをクリアすると修了証書が交付されます。試験形式のテストはないため、講習にしっかり出席してレポートを提出すれば修了できる仕組みです。

 

なお、講習で学ぶ内容は、美容師養成施設(専門学校や短大)の必修科目である「衛生管理」の延長線上に位置づけられるものです。在学中に衛生管理の基礎をしっかり学んでおけば、管理美容師の講習にもスムーズに取り組めるでしょう。

 

受講料と必要書類

 

受講料は20,000円です(令和5年10月以降の改定後の金額)。それ以前は16,000円でしたが、受講者の動向や運営費の見直しに伴って改定されました。再受講の場合は別途料金が設定されています。

 

受講申し込み時に提出する主な書類は、受講申込書、美容師免許証の写し、実務経験を証明する書類(在職証明書など)、証明写真です。美容師免許証を紛失している場合や、氏名・本籍地に変更がある場合は、事前に再交付や訂正の手続きを済ませておく必要があります。

 

美容師に関連するさまざまな資格の種類を知りたい方は「美容師の資格とは?必須の国家資格から仕事に役立つ関連資格まで紹介」も参考になります。

 

\ 美容師への第一歩を踏み出そう /

山野美容芸術短期大学では、美容師免許の取得はもちろん、短期大学士の学位や幅広い美容スキルを在学中に身につけられます。管理美容師を目指す方にとって、衛生管理の基礎を学べる環境が整っています。

まずはオープンキャンパスで学校の雰囲気を体感してみませんか? → オープンキャンパスの詳細はこちら

 

管理美容師の講習を修了した後の手続き

 

講習会を修了した後にもいくつかの手続きがあります。資格を活かすために必要な対応を確認しておきましょう。

 

修了証書の受け取りと保管

 

講習会の全日程を受講し、レポートを提出して要件を満たすと、修了証書が交付されます。この修了証書が管理美容師の資格を証明する唯一の書類です。

 

修了証書は再発行が困難な場合があるため、紛失しないよう大切に保管してください。コピーを取っておくことも有効です。将来、美容室の開設届出を行う際や、転職先のサロンに管理美容師であることを証明する際に提示を求められることがあります。

 

美容所の届出との関係

 

美容室を開業する際には、保健所に「美容所開設届出書」を提出します。常時2人以上の美容師が勤務する美容室の場合、この届出の中で管理美容師の氏名や修了証書の番号を記載する欄があります。

 

開設届出後には保健所による立ち入り検査が行われ、衛生基準を満たしているかどうかの確認が行われます。管理美容師が適切に配置されていることも確認対象です。開業を目指す方は、早い段階で管理美容師資格の取得を計画に組み込んでおくとスムーズに準備を進められます。

 

管理美容師の日常業務と実務上の役割

 

管理美容師は資格を取得して終わりではなく、日々の業務の中で衛生管理を継続的に実践する役割を担います。具体的には、営業前の店内チェック、器具の消毒状況の確認、スタッフの健康管理、消毒液や衛生用品の在庫管理などが挙げられます。

 

保健所の定期的な巡回指導の際には、管理美容師が窓口となって対応することが一般的です。衛生管理計画の策定と見直し、衛生管理記録の保管なども管理美容師が中心となって行います。日々の小さな取り組みの積み重ねが、お客様の安全と信頼を守ることにつながるのです。

 

美容師として独立を視野に入れている方は、給料や年収の相場を事前に把握しておくことも大切です。「美容師の給料はどのくらい?平均年収・役職別の収入・給料を上げる方法まで解説」で詳しくまとめています。

 

管理美容師の資格を取るメリット

 

管理美容師の資格は法律上の義務を果たすためだけのものではありません。取得することで得られる実務上のメリットを3つの視点から解説します。

 

サロンの開業・独立に役立つ

 

将来、自分のサロンを開業したいと考えている美容師にとって、管理美容師の資格は大きな意味を持ちます。自分自身が管理美容師であれば、別途有資格者を雇わなくても衛生管理者の要件を満たすことができるからです。

 

開業時にスタッフを1人でも雇用する計画がある場合、管理美容師が必要になります。外部から有資格者を採用するとなると人材確保の負担が増えますが、オーナー自身が管理美容師であればその心配がなくなります。開業コストの面でも、経営リスクの面でも有利です。

 

美容師の将来のキャリアの広がりについて知りたい方は「美容師の将来性は?業界の動向・AIとの関係・伸びる分野・年収の展望を解説」も参考になります。

 

キャリアアップや転職で有利になる

 

管理美容師の資格を持っていると、店長やマネージャーへの昇進の際に評価されやすくなります。サロン側としても、衛生管理の責任者を任せられるスタッフがいることは安心材料になるためです。

 

転職の場面でも、管理美容師の資格は差別化ポイントになります。特に複数店舗を展開しているサロンでは、各店舗に管理美容師を配置する必要があるため、有資格者の需要は常にあります。資格を持っていることで採用の選択肢が広がり、より条件の良いサロンへのステップアップも期待できるでしょう。

 

就職先の選び方や面接対策については「美容師の就職ガイド|就職先の選び方・面接対策・キャリアステップまで解説」もあわせてご確認ください。

 

お客様からの信頼が高まる

 

お客様にとって、施術を受けるサロンの衛生環境は安心してサービスを受けるための大前提です。管理美容師がいるサロンは、衛生管理の専門知識を持った責任者が店舗の環境を管理しているという信頼感につながります。

 

近年は感染症対策への意識が高まっており、サロン選びの際に衛生面を重視するお客様も増えています。管理美容師として適切な衛生管理を行い、その取り組みを店内やSNSなどで発信することで、集客にもプラスの効果が期待できます。

 

また、管理美容師として得た知識は日常の施術にも活かせます。器具の正しい消毒手順やタオルの交換頻度、店内の換気方法など、衛生管理の細かなポイントを理解していることで、施術中のトラブルを未然に防ぐことができます。結果として、お客様が安心して通い続けられるサロンづくりにつながります。

 

\ 美容師への第一歩を踏み出そう /

山野美容芸術短期大学では、美容師免許の取得はもちろん、短期大学士の学位や幅広い美容スキルを在学中に身につけられます。管理美容師を目指す方にとって、衛生管理の基礎を学べる環境が整っています。

まずはオープンキャンパスで学校の雰囲気を体感してみませんか? → オープンキャンパスの詳細はこちら

 

管理美容師を目指すなら美容学校選びも重要

 

管理美容師の資格そのものは実務経験を積んだ後に取得しますが、その土台となる衛生管理の知識や美容師免許は、美容学校で学ぶ段階から身につけることができます。将来を見据えた学校選びのポイントを解説します。

 

短大で美容師免許と短期大学士を同時に取得

 

美容師養成施設には、専門学校と短期大学があります。短期大学であれば、美容師免許の受験資格に加えて「短期大学士」の学位を取得できるため、卒業後のキャリアの選択肢が広がります。

 

短期大学士の学位は、美容業界だけでなく一般企業への就職や、さらに上の学位を目指す編入学の際にも活かせます。美容師として働きながらサロン経営やマネジメントの道を模索する場合にも、経営学やマーケティングの基礎知識を短大で学んでおくことは大きなアドバンテージです。

 

山野美容芸術短期大学の美容総合学科では、カット・カラー・パーマなどの実技に加え、メイク・ネイル・エステ・着付けなどトータルビューティーを幅広く学べます。カリキュラムの詳細は「美容総合学科のページ」をご確認ください。

 

衛生管理の知識を在学中から学べる

 

美容師養成施設のカリキュラムには、「衛生管理」が必修科目として含まれています。ここでは、感染症の予防方法、美容室での消毒方法、公衆衛生に関する法規制など、管理美容師の講習内容に直結する知識を学びます。

 

在学中にこれらの基礎をしっかり習得しておけば、卒業後にサロンで実務経験を積みながら衛生管理への意識を自然と高めることができます。そして3年以上の実務経験を経て管理美容師の講習会を受講する際にも、スムーズに内容を理解できるでしょう。

 

さらに、短大では美容の技術だけでなく、ビジネスやコミュニケーション、一般教養などの幅広い学問領域を学ぶことができます。サロンの経営者を目指す場合、経営やマーケティングの基礎知識は実務で大いに役立ちます。管理美容師としての衛生管理能力と、経営者としてのビジネス力の両方を在学中から育てられるのが短大の強みです。

 

学校選びの際には、カリキュラムの内容だけでなく就職実績やサポート体制もチェックしましょう。有名サロンへの就職実績が豊富な学校は業界とのネットワークが強く、卒業後のキャリア形成でも心強い味方になります。オープンキャンパスに参加して、実際の授業の様子や在学生の雰囲気を確認することも大切です。

 

美容業界で活躍できるさまざまな職種に興味がある方は「美容の職業ガイド|職種一覧・適性診断・キャリアパス・将来性まで解説」も参考にしてください。

 

まとめ

 

管理美容師は、美容室の衛生管理を担う責任者であり、常時2人以上の美容師が勤務するサロンには配置が法律で義務づけられている資格です。美容師免許取得後に3年以上の実務経験を積み、管理美容師資格認定講習会(全18時間・受講料20,000円)を修了することで取得できます。

 

管理美容師の資格を持つことで、サロンの独立開業時に自ら衛生管理者になれるだけでなく、店長やマネージャーへの昇進、転職時の評価向上、お客様からの信頼獲得など、キャリア全体にわたって多くのメリットがあります。

 

管理美容師を目指すうえで重要なのは、美容学校の段階から衛生管理の基礎をしっかり学んでおくことです。短期大学であれば美容師免許と短期大学士の学位を同時に取得でき、将来のキャリアの幅がさらに広がります。

 

美容師としての第一歩を踏み出すために、まずはオープンキャンパスに参加して学校の雰囲気を体感してみることをおすすめします。

アクセス

資料請求

簡単相談