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理容師と美容師の違いとは?仕事内容・資格・年収・就職先を比較して解説

2026.08.15

「理容師と美容師って何が違うの?」「自分にはどっちが向いている?」と疑問に思ったことはありませんか。

 

理容師と美容師はどちらも国家資格が必要な職業ですが、法律上の定義や業務範囲、国家試験の内容が明確に異なります。理容師は「容姿を整えること」を目的とし、カミソリを使ったシェービングが独占業務です。一方、美容師は「容姿を美しくすること」を目的とし、メイクや着付け、まつ毛エクステンションなどの施術を行います。

 

この記事では、理容師と美容師の違いを法律・仕事内容・国家試験・年収・就職先・ダブルライセンスなど多角的に比較し、進路選びに役立つ情報をわかりやすくまとめています。まずは下の表で、この記事の要点を確認してください。

 

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理容師と美容師の法律上の定義の違い

 

理容師と美容師は、それぞれ別の法律によって定義されています。まずは法律の観点から、両者の違いを正しく理解しましょう。

 

理容師法と美容師法で定められた「理容」と「美容」

 

理容師は「理容師法」、美容師は「美容師法」という別々の法律に基づいて定義されています。理容師法は1947年(昭和22年)に制定され、その後1957年(昭和32年)に美容師法が分離独立する形で成立しました。

 

理容師法では、理容とは「頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えること」と定義されています。一方、美容師法では、美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされています。

 

つまり、理容師の業務は容姿を「整える」ことに重点があり、美容師の業務は容姿を「美しくする」ことに重点があるという違いがあります。この定義の違いが、両者の業務範囲の差を生み出しています。

 

理容師・美容師制度の概要については、厚生労働省の公式ページ(理容師法・美容師法概要|厚生労働省)で詳しく確認できます。

 

シェービングができるかどうかが最大の違い

 

法律上の定義から生まれる最も大きな違いは、カミソリを使った顔そり(シェービング)ができるかどうかです。理容師は顔全体のシェービングを行うことが法律で認められていますが、美容師にはこの施術が認められていません。

 

美容師が行えるのは、化粧に付随する範囲での眉毛のカット程度にとどまり、ヒゲ剃りや顔全体のシェービングは理容師の独占業務です。逆に、まつ毛エクステンション(まつエク)は美容行為の一つとして、美容師免許を持つ人だけが施術できます。

 

また、美容師は着付けやメイクアップといった施術も業務範囲に含まれます。理容師法にはこれらの規定がないため、着付けやメイクは美容師が担当する領域です。カット、パーマ、カラーリングについては両者ともに行うことができます。

 

美容師免許の取得方法や試験内容を詳しく知りたい方は「美容師免許とは?取得方法・国家試験の内容・合格率・活かせる仕事を解説」をご覧ください。

 

仕事内容と業務範囲の違い

 

法律の定義を踏まえて、実際の仕事内容がどのように異なるのかを具体的に見ていきましょう。

 

理容師の主な仕事内容

 

理容師の代表的な仕事内容は、ヘアカット、シェービング(顔そり・襟剃り)、シャンプー、パーマ、カラーリング、ヘッドスパなどです。従来は男性客を中心としたサービスが主流でしたが、近年は女性向けのシェービングサロンやおしゃれなバーバーショップも増えています。

 

特にブライダルシェービングは女性からの需要が高い施術です。結婚式前に顔やうなじ、背中の産毛をカミソリで丁寧に処理し、肌のトーンを明るく整えるサービスとして人気があります。これは理容師免許を持つ人だけが提供できる施術であり、理容師ならではの強みといえます。

 

また、高齢化社会の進行に伴い、病院や介護施設への訪問理容も需要が拡大しています。自力で外出が困難な方のもとへ出向いてカットやシェービングを行う訪問理容は、社会貢献度の高い仕事として注目されています。

 

美容師の主な仕事内容

 

美容師の仕事内容は非常に幅広く、ヘアカット、カラーリング、パーマ、ヘアセット、メイクアップ、着付け、ネイル、まつ毛エクステンションなどが挙げられます。「容姿を美しくする」という目的のもと、トータルビューティーに関わる施術を幅広く行えるのが特徴です。

 

美容師の就職先は美容室だけにとどまりません。ブライダルサロン、ヘアメイク事務所、テレビや雑誌などのメディア現場、フォトスタジオなど、さまざまなフィールドで活躍する道があります。近年はまつ毛エクステンション専門サロンやヘッドスパ専門サロンなど、専門特化型の美容サービスも増加しており、美容師免許が必要なスペシャリストの需要も高まっています。

 

美容の仕事の種類を網羅的に知りたい方は「美容の仕事にはどんな種類がある?職種一覧・資格・年収・なり方まで解説」も参考になります。

 

共通してできる施術と独占業務

 

理容師と美容師に共通してできる施術と、それぞれの独占業務を整理すると次のようになります。

 

両方で可能な施術:ヘアカット、パーマ、カラーリング、シャンプー、ヘッドスパ

理容師のみ可能:カミソリを使った顔そり・シェービング全般

美容師のみ可能:まつ毛エクステンション、メイクアップ、着付け

 

近年はユニセックスサロンが増え、理容師と美容師が一つの店舗で協力して働くケースも出てきています。ダブルライセンスを持つオーナーがシェービングから着付けまで対応できる店舗を開業する事例もあり、業務範囲の違いをうまく活かした経営スタイルが広がっています。

 

国家試験と資格取得ルートの違い

 

理容師も美容師も国家試験に合格しなければ免許を取得できません。ここでは、試験内容や合格率の違いを確認しましょう。

 

受験資格と養成施設の違い

 

理容師・美容師ともに、厚生労働大臣が指定する養成施設(専門学校または短大)で所定の課程を修了することが受験資格の条件です。昼間課程・夜間課程は2年以上、通信課程は3年以上の修業が必要です。

 

養成施設のカリキュラムには、理容・美容に共通する科目(衛生管理、関係法規、保健など)と、それぞれの専門実技が含まれています。理容師養成施設ではシェービングの実技訓練が重視され、美容師養成施設ではワインディングやオールウェーブなどの技術が中心になります。

 

短期大学であれば、美容師免許の受験資格に加えて短期大学士の学位を取得できます。山野美容芸術短期大学のカリキュラムについては「美容総合学科のページ」をご確認ください。

 

実技試験の課題内容の違い

 

理容師の実技試験では、カッティングとシェービングが課題に含まれます。ウィッグを使ったミディアムカットとセニングカット、そして顔そりの技術が審査されます。さらに、整髪やラザーリング(泡立て)の技術も評価対象です。

 

一方、美容師の実技試験では、カッティングに加えて、ワインディングまたはオールウェーブセッティングが課題として出題されます。どちらが出題されるかは回によって異なります。パーマの巻き方やウェーブの形成技術が審査のポイントになります。

 

筆記試験については、両者とも「運営管理及び関係法規・制度」「衛生管理」「保健」「香粧品化学」「文化論及び理容・美容技術理論」の5課目から出題されますが、法規や技術理論の内容はそれぞれの法律や施術内容に応じて異なります。

 

美容師国家試験の内容をさらに詳しく知りたい方は「美容師国家試験とは?試験内容・合格率・受験資格・対策方法を詳しく解説」もあわせてご覧ください。

 

合格率と受験者数の比較

 

国家試験の受験者数は、美容師のほうが圧倒的に多い傾向です。美容師国家試験は毎回1万〜2万人が受験するのに対し、理容師国家試験は1,000〜2,000人程度にとどまります。これは、美容師を目指す人が理容師の約10倍近くいることを意味しています。

 

合格率については、美容師が約85〜90%、理容師が約75〜80%程度で推移しています。理容師の合格率がやや低めに見えることもありますが、受験者数が少ないため年度ごとの変動が大きい点に注意が必要です。どちらの試験も、養成施設でしっかり学んでいれば十分に合格を目指せる内容です。

 

給料・年収・就職先の違い

 

進路を選ぶうえで気になるのが、収入面と就職先の違いです。公的なデータをもとに、理容師と美容師の給料事情を比較します。

 

平均年収と初任給の比較

 

厚生労働省の統計データによると、理容師・美容師ともに平均年収は約370万円前後で、大きな差はありません。ただし、理容師は美容師に比べてなり手が少なく、人手不足の影響で初任給がやや高めに設定されるケースが増えています。

 

美容師は、スタイリストとして指名客を多く獲得したり、SNSでの集客力を高めたりすることで、歩合や指名料が上乗せされ、実力次第で大きく年収を伸ばせる傾向があります。トップスタイリストや人気サロンのディレクタークラスになると、年収500〜800万円に達するケースも珍しくありません。さらに独立開業に成功すれば、年収1,000万円を超える可能性もあります。

 

理容師も独立開業すれば年収アップが期待できます。特に、固定客がつきやすい理容業は安定収入を得やすいのが特徴です。近年はおしゃれなバーバーショップの人気が高まっており、若い世代をターゲットにした理容室で高単価メニューを展開するオーナーも増えています。

 

美容師の年収について詳しくは「美容師の給料はどのくらい?平均年収・役職別の収入・給料を上げる方法まで解説」で確認できます。

 

就職先の種類と将来性

 

理容師の主な就職先は、理容室(床屋・バーバーショップ)、シェービング専門サロン、ブライダルシェービングサロン、訪問理容サービスなどです。厚生労働省の統計では、従業理容師数は減少傾向にある一方で、高齢者向け訪問サービスや女性向けシェービングの需要は伸びており、ニッチな分野での活躍が期待されています。

 

美容師の主な就職先は、美容室(大手チェーンサロン・個人サロン)、ブライダルサロン、ヘアメイク事務所、テレビ・映画・雑誌などのメディア現場、まつ毛エクステンション専門サロン、フォトスタジオなど非常に多彩です。従業美容師数は年々増加しており、2022年度時点で約57万人に達しています。

 

将来性という観点では、理容師は人材不足が追い風となって求人倍率が高く、就職しやすい状況です。美容師は競争が激しい反面、活躍の場が広い点が強みです。どちらも手に職をつけられる堅実な職業であり、技術を磨き続ければ長期的に安定したキャリアを築けるでしょう。

 

美容業界全体のキャリアパスや職種を知りたい方は「美容の進路はどう選ぶ?美容業界の仕事の種類・学校選び・将来性まで解説」も参考にしてください。

 

ダブルライセンスという選択肢

 

理容師と美容師の両方の免許を持つ「ダブルライセンス」を取得する人が増えています。その背景とメリットを解説します。

 

2018年の法改正で取得しやすくなった

 

以前はダブルライセンスを取得するには、一方の養成施設を卒業して国家試験に合格した後、もう一方の養成施設に再入学して2〜3年間学ぶ必要がありました。合計で4〜6年かかり、費用も2倍近くになるため、取得のハードルは非常に高いものでした。

 

しかし、2018年4月の法改正により、一方の免許を持っている人が他方の養成施設に入学した場合、修業年限が昼間・夜間課程で1年以上、通信課程で1年6カ月以上に短縮されました。共通科目の履修が免除されるため、期間も費用も大幅に抑えられるようになっています。

 

ダブルライセンスのメリットと活かし方

 

ダブルライセンスを持つことで、理容と美容の両方の施術を提供でき、対応できるお客様の幅が広がります。たとえば、ブライダルの現場ではヘアセット・メイク・シェービング・着付けをすべて一人で担当できるため、式場やサロンから非常に重宝されます。

 

独立開業を目指す場合にも、ダブルライセンスは大きな武器になります。管理理容師・管理美容師の資格を取得し、理容と美容の両方に対応できる店舗を構えれば、理容師・美容師の両方をスタッフとして雇用でき、幅広い客層に対応できるサロン経営が可能になります。

 

ただし、ダブルライセンスの取得には追加の時間と費用がかかる点は考慮しておく必要があります。単に資格を持っているだけでなく、両方の技術を実務で活かしてこそ価値が生まれます。自分のキャリアプランに合わせて、ダブルライセンスの取得時期や活用方法を計画的に考えましょう。

 

実際に、美容師として数年間の実務経験を積んだ後に理容師免許を取得し、シェービングメニューを加えたトータルビューティーサロンを開業する方もいます。逆に、理容師として経験を積んでからまつ毛エクステンションやメイクの施術をするために美容師免許を取得するケースもあります。お客様から「この人に任せればすべて対応してもらえる」と思っていただけることは、大きな信頼と売上アップにつながるのです。

 

ヘアメイクの仕事内容やキャリアに興味がある方は「ヘアメイクの仕事とは?仕事内容・就職先・年収・必要な資格を詳しく解説」もご覧ください。

 

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山野美容芸術短期大学では、美容師免許の取得はもちろん、短期大学士の学位やメイク・ネイル・エステ・着付けなど幅広い美容スキルを在学中に身につけられます。美容師と理容師の違いを理解したうえで自分に合った進路を選びましょう。

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自分に合っているのはどっち?選び方のポイント

 

理容師と美容師、どちらの道に進むべきかは一人ひとりの目標や適性によって異なります。それぞれの職業に向いている人の特徴を見てみましょう。

 

理容師に向いている人の特徴

 

シェービング技術に興味がある人、男性向けのヘアスタイルを極めたい人は理容師が向いています。近年のバーバーブームにより、クラシカルなカットやフェードスタイルを求めるお客様が増えており、こうした技術を磨きたい方にとってやりがいのある分野です。

 

また、固定客との長期的な信頼関係を大切にしたい方、訪問理容を通じて社会貢献をしたい方にも理容師は適しています。なり手が少ない分、就職先での競争が比較的少なく、安定した働き方を実現しやすいのも理容師の魅力です。

 

美容師に向いている人の特徴

 

ヘアスタイルだけでなく、メイク・ネイル・着付けなど幅広い美容分野に関心がある人は美容師が向いています。トータルビューティーの提案ができる人材は、サロンからの評価も高く、キャリアの選択肢が広がります。

 

クリエイティブな表現やトレンドを追いかけることが好きな方、SNSを活用して自分の作品を発信したい方にも美容師は適した職業です。美容室以外にもブライダル、メディア、フリーランスなど多様な働き方ができるため、自分らしいキャリアを描きやすいのが美容師の強みです。

 

さらに、短期大学で美容を学ぶ場合、カット・カラー・パーマといった基本技術だけでなく、メイク・ネイル・エステ・着付けなどトータルビューティーを幅広く身につけられます。在学中に複数の資格を取得しておけば、卒業後の就職活動でも「美容師免許+αのスキルを持つ人材」として他の候補者と差をつけることができます。

 

どちらを選ぶにしても、基盤となるのは美容学校での学びです。短期大学であれば、美容師免許と短期大学士の学位を同時に取得でき、卒業後にダブルライセンスを目指す場合にも有利になります。進路選びに迷っている方は「美容師になるには?必要な資格・学校選び・仕事内容・年収まで詳しく解説」もあわせてご確認ください。

 

まとめ

 

理容師と美容師は、法律上の定義、業務範囲、国家試験の内容が明確に異なります。最大の違いは、理容師がカミソリを使ったシェービングを行えること、美容師がまつ毛エクステンションや着付け、メイクアップを担当できることです。

 

平均年収に大きな差はなく、どちらも技術を磨いてキャリアアップすれば高収入を目指せます。理容師は安定性と専門技術に強みがあり、美容師はトータルビューティーの提案力と就職先の多彩さが魅力です。

 

2018年の法改正でダブルライセンスの取得も現実的な選択肢になりました。自分の将来像を明確にしたうえで、それに合った進路を選ぶことが大切です。

 

まずは美容学校のオープンキャンパスに参加して、実際のカリキュラムや学校の雰囲気を体感してみることをおすすめします。短期大学で美容師免許と短期大学士の学位を取得すれば、卒業後のキャリアの幅がさらに広がります。

 

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