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コラム

4.毛髪の強さの秘密(シスチン結合)

2009.03.24

ケラチンは毛髪や爪を構成するタンパク質で、構成するアミノ酸に特徴があります。ケラチンには、他のタンパク質に比較して、シスチンとよばれるアミノ酸が豊富に含まれています。人の表皮のタンパク質中のシスチン含量は約3%程度ですが、人の毛髪のケラチンには、約18%のシスチンが含まれています。このシスチンに、毛髪や爪が柔軟性と硬さをもつケラチンの秘密が隠されています。シスチンというアミノ酸は、システインというアミノ酸が2つ結合した形をしています。その結合は、システインに含まれる硫黄原子と硫黄原子の間に形成され、この結合をシスチン結合(ジスルフィド結合)とよびます。このシスチン結合を含むアミノ酸がタンパク質の構成アミノ酸として多く含まれると、どのようなタンパク質ができるのでしょうか?。

タンパク質は、アミノ酸が1本の鎖のように結合してできた物質ですが、シスチン結合が存在することによって、タンパク質の鎖と鎖の間に、「はしご」のような構造が形成されます。このようにタンパク質とタンパク質をつなぐことによって、タンパク質に硬さと柔軟さが与えられます。毛髪の中には、このシスチン結合以外にも、イオン結合・水素結合などのタンパク質とタンパク質をつなぐ結合が存在します。化学の言葉では、「架橋結合」といいます。この架橋結合を様々な方法で組み換えることによって、ヘアースタイルを変えることができますが、シスチン結合は架橋結合の中でも強固な結合なので、特別な薬品を使用しないと、その結合を解離することができません。

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