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美容師の年収は低い?平均給与・役職別の収入・年収を上げる方法を解説
2026.08.15

「美容師の年収は低い」という話を聞いて、美容師を目指すことに不安を感じている方もいるのではないでしょうか。たしかに、美容師の平均年収は全産業平均と比べるとやや低い水準にあります。
しかし、役職や働き方によって年収には大きな差があり、トップスタイリストやフリーランス、独立開業で年収500万円〜1,000万円以上を実現している方も少なくありません。年収は「美容師だから低い」のではなく、キャリアの積み方や働き方の選択によって大きく変わるのです。
この記事では、美容師の平均年収や役職別・年代別の収入データ、年収が低いと言われる理由、そして年収を上げるための具体的な方法まで詳しく解説します。
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美容師の平均年収はいくら?
まずは美容師の平均年収について、全体像を確認しましょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(令和6年)」のデータをもとに、年代別・地域別の収入差も含めて解説します。
全体の平均年収と月収の内訳
美容師の平均年収は約370万円です。内訳は月給約30万円(きまって支給する現金給与額)に、年間賞与その他特別給与額の約11万円を加えた金額になります。
全産業の平均年収が約430万円前後であることを踏まえると、美容師の年収はやや低い水準にあると言えます。ただし、この数値はアシスタントからオーナーまですべての美容師を含んだ平均であり、経験を積んでスタイリストとして活躍し始めると、平均年収を大きく上回る収入を得ている方も多くいます。
初任給は月額20〜22万円が相場で、手取りにすると約15〜17万円程度です。社会人として生活を始める時期は決して余裕があるとは言えませんが、スタイリストに昇格すれば指名料や歩合が加わり、収入は着実に伸びていきます。
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(e-Stat 政府統計の総合窓口)
年代別の平均年収
| 年代 | 平均年収の目安 | 主な役職 |
| 20代 | 約240〜300万円 | アシスタント〜ジュニアスタイリスト |
| 30代 | 約350〜450万円 | スタイリスト〜チーフ・店長 |
| 40代 | 約400〜550万円 | トップスタイリスト〜管理職・オーナー |
20代は下積み期間にあたるため年収は低めですが、30代に入るとスタイリストとして独り立ちし、指名客の増加とともに収入が伸びていきます。40代以降はキャリアの選択によって大きな差がつき、管理職や独立開業を選ぶ方はさらに高い収入を得るケースもあります。
地域別・サロン規模別の年収差
美容師の年収は地域やサロンの規模によっても差があります。東京都の平均年収は約438万円と全国平均を大きく上回っており、大都市圏ほど客単価が高い傾向にあります。
サロンの規模も年収に影響します。従業員10〜99人の小規模サロンでは平均約376万円ですが、従業員1,000人以上の大手チェーンでは平均約460〜520万円にまで上がります。大手は福利厚生や昇給制度が充実していることが多く、安定した収入を求める方には選択肢のひとつになるでしょう。
美容師の仕事内容や年収について全体像を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▶ 美容師になるには?必要な資格・学校選び・仕事内容・年収まで詳しく解説
役職・働き方別の年収を比較
美容師の年収は、サロンで雇用されて働く場合と、フリーランスや独立開業で働く場合とで大きく異なります。ここでは役職別・働き方別に年収の目安を比較します。
アシスタントからトップスタイリストまでの年収
| 役職 | 年収の目安 | 特徴 |
| アシスタント | 200〜250万円 | 固定給中心、歩合なし |
| ジュニアスタイリスト | 250〜350万円 | 指名客が少なく歩合も少額 |
| スタイリスト | 300〜400万円 | 指名料・歩合が加わる |
| トップスタイリスト | 500〜800万円 | 高い指名率と技術料 |
| 店長・マネージャー | 400〜600万円 | 管理手当・役職手当が加算 |
アシスタント時代はシャンプーや受付、道具の準備といったサポート業務が中心のため、収入は低めです。しかし、スタイリストに昇格すると指名料や施術の歩合が加わり、年収は300万円を超えてきます。
トップスタイリストになると、高い指名率と技術力によって年収500万円以上を安定的に稼ぐ方もいます。施術単価の高いカラーやパーマの技術を磨くことが、年収アップに直結します。
フリーランス・業務委託の年収
フリーランス美容師は、売上に応じて年収500万〜1,000万円以上を稼ぐことも可能です。業務委託契約やシェアサロンを利用して働くスタイルで、施術売上の50〜80%が報酬として受け取れます。
たとえば、歩合率60%で月間売上100万円を達成すれば、月収は60万円、年収換算で720万円になります。月間売上140万円なら月収84万円、年収は約1,000万円に届きます。
ただし、フリーランスは雇用保険や社会保険が適用されない場合が多く、確定申告や経費管理も自分で行う必要があります。また、集客力がないと安定した売上を維持できないリスクもあるため、サロン勤務で十分な指名客を獲得してから独立を検討するのが一般的です。
サロンオーナー(独立開業)の年収
自分のサロンを開業した場合、経営が軌道に乗れば年収1,000万円以上も視野に入ります。ただし、オーナーの年収は売上から家賃・人件費・材料費などの経費を差し引いた利益から決まるため、経営手腕が問われます。
年収1,000万円を実現するには、年間売上5,000万円(月間約416万円)が一つの目安とされています。複数のスタイリストを雇用し、安定した集客力を維持することが求められます。
近年はシェアサロンや面貸し制度を活用した低リスクの独立も増えており、必ずしも大きな初期投資をしなくても開業できる選択肢が広がっています。
美容師のキャリアステップや就職先の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 美容師の就職情報|就職先の選び方・面接対策・キャリアステップまで解説
美容師の年収が低いと言われる理由
美容師の年収が他の職種と比べて低いとされる背景には、いくつかの構造的な理由があります。これらの理由を正しく理解しておくことで、年収アップに向けた戦略を立てやすくなります。
スタイリストデビューまでの期間が長い
美容師は養成施設を卒業して国家資格を取得した後も、すぐにスタイリストとして施術を担当できるわけではありません。サロンに就職後、1〜3年程度のアシスタント期間を経て、店舗の技術テストに合格してからようやくスタイリストデビューとなります。
このアシスタント期間は給与が低く、月収20万円前後にとどまることがほとんどです。下積み時代の低い給与が全体の平均年収を引き下げる要因になっています。
アシスタント期間中は、シャンプーやカラーの塗布などの補助業務を担当しながら、閉店後や休日に技術練習を重ねることが一般的です。この期間を短くするためには、効率的にカリキュラムを組んでいる養成施設で基礎を固めておくことが重要です。
賞与が少なくサロンの利益率が低い
美容師の賞与は年間約10万円前後と、他業種と比較して非常に少ない傾向にあります。一般企業では賞与が年収の20〜30%を占めることも珍しくありませんが、美容業界では賞与が年収に与える影響が限定的です。
この背景には、美容室はテナント料や材料費、人件費などの固定費が高く、利益率が低いという業界特有の事情があります。とくに個人経営のサロンでは、スタッフへの賞与を十分に確保することが難しいケースが多いのが現状です。
離職率の高さが平均年収を押し下げている
美容師は離職率が比較的高い職種です。アシスタント時代の厳しい労働環境や低い給与を理由に、スタイリストになる前に離職してしまう方が少なくありません。
経験の浅い美容師が多く含まれることで、統計上の平均年収が低く算出される傾向があります。逆に言えば、スタイリストとして経験を積み、長く活躍する美容師は平均よりもかなり高い年収を得ていることが多いのです。
美容師の将来性や業界全体の動向について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 美容師の将来性は?業界の動向・AIとの関係・伸びる分野・年収の展望を解説
美容師の年収を上げる7つの方法
美容師の年収は、自分の行動次第で大きく変えることができます。ここでは具体的な年収アップの方法を7つ紹介します。
技術を磨いて指名客を増やす
年収を上げる最も基本的な方法は、カットやカラーの技術を磨き、指名してくれるお客様を増やすことです。指名客が増えれば指名料が加算されるだけでなく、リピート率が上がることで安定した売上を確保できます。
特にカラーやパーマ、トリートメントなど単価の高いメニューの技術を習得することで、1人あたりの客単価を上げることが可能です。技術講習会やセミナーへの参加も、スキルアップに有効な手段です。
指名客を安定的に確保するには、技術力だけでなく、お客様一人ひとりの髪質や好みを記録して次回の施術に活かすなどのきめ細かなカウンセリングも欠かせません。リピート率80%以上を維持できるスタイリストは、安定した売上基盤を持つことができます。
関連資格を取得して対応できる施術を広げる
美容師免許に加えて、ヘアカラリスト検定やパーソナルカラリスト検定、着付けの資格などを取得することで、提供できるサービスの幅が広がります。複数の施術に対応できるスタイリストはサロンにとって貴重な存在であり、給与面でも評価されやすくなります。
美容師免許を活かせる資格や、キャリアアップに役立つ資格について知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
▶ 美容師の資格とは?必須の国家資格から仕事に役立つ関連資格まで紹介
物販やメニュー提案力を強化する
施術だけでなく、シャンプーやトリートメント、スタイリング剤などの物販も年収アップにつながります。物販は施術に比べて利益率が高く、売上に対して10〜20%程度の歩合がつくサロンもあります。
お客様の髪の悩みに合わせた商品提案ができるようになると、物販売上が月数万円〜数十万円になることも珍しくありません。押し売りではなく、お客様にとって本当に必要な商品を提案する姿勢が信頼につながります。
SNSを活用して集客力を高める
InstagramやTikTokなどのSNSを活用して自分の作品や施術のビフォーアフターを発信することで、サロンの集客力だけに頼らず自分自身で指名客を獲得できるようになります。
SNSでの発信力は、とくにフリーランスや独立を目指す際に大きな武器になります。フォロワー数が増えれば「この人に切ってもらいたい」という指名予約が入るようになり、集客コストを抑えながら高い売上を実現できます。
投稿のコツとしては、お客様のビフォーアフター写真(許可を取った上で)や、ヘアアレンジの動画が特に反応を得やすい傾向があります。投稿の頻度は最低でも週3回以上を維持し、ハッシュタグやエリア情報を活用して地域のお客様にリーチすることも大切です。
待遇のよいサロンへ転職する
同じスタイリストでも、勤務するサロンによって給与は大きく変わります。大手チェーンや歩合率の高いサロンに転職することで、技術力を変えなくても年収が上がるケースがあります。
従業員1,000人以上の大手サロンでは平均年収が約460〜520万円に達しており、小規模サロンとの差は80〜140万円にもなります。転職時は給与だけでなく、昇給制度、歩合率、社会保険の有無、休日数なども含めて総合的に比較しましょう。
フリーランス・業務委託に転向する
十分な指名客を持つスタイリストであれば、フリーランスに転向することで年収を大幅に上げられる可能性があります。歩合率50〜80%の業務委託契約なら、月間売上100万円で月収50〜80万円を得ることも可能です。
シェアサロンの普及により、初期費用を抑えてフリーランスとして活動を始められる環境が整ってきています。ただし、集客や予約管理、確定申告などをすべて自分で行う必要があるため、独立前に経営やマーケティングの知識を身につけておくことが重要です。
独立開業で経営者の収入を目指す
美容師としてのキャリアの最終的な選択肢のひとつが、自分のサロンを開業することです。経営が安定すれば年収1,000万円以上も現実的な目標になります。
開業には店舗の準備や資金調達、集客戦略の立案などさまざまな準備が必要ですが、近年は面貸しやシェアサロンを使った低コスト開業も増えています。経営に興味がある方は、サロン勤務のうちから経営者の視点で仕事に取り組むことが将来の糧になるでしょう。
美容師の給与体系の仕組み
美容師の給与体系にはいくつかの種類があり、どの体系で働くかによって収入の安定度や上限が変わります。ここでは代表的な3つの給与体系を紹介します。
固定給制と固定給+歩合給制
固定給制は、毎月決まった額の給与が支払われる体系です。収入が安定しているため、とくにアシスタントやデビューしたばかりのスタイリストに多く採用されています。ただし、どれだけ売上を上げても給与が変わらないため、収入の上限が見えやすいという側面もあります。
最も一般的なのが固定給+歩合給制です。基本給に加えて、施術売上の10〜40%程度が歩合として上乗せされます。頑張った分だけ収入に反映されるため、多くのサロンがこの体系を採用しています。指名料は1回500〜1,000円程度が加算されるのが一般的です。
完全歩合制(業務委託)の報酬構造
完全歩合制は、売上に対して50〜80%の報酬が支払われる体系で、主にフリーランス美容師や業務委託契約で採用されています。固定給がないため収入の保証はありませんが、高い売上を実現できれば雇用型よりも大幅に高い報酬を得ることが可能です。
たとえば歩合率60%の場合、月間売上80万円なら月収48万円(年収576万円)、月間売上120万円なら月収72万円(年収864万円)になります。ただし、社会保険や交通費は自己負担となるケースが多いため、額面だけでなく手取りベースで比較することが大切です。
美容師免許の取得方法や活かせる仕事について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
▶ 美容師免許とは?取得方法・国家試験の内容・合格率・活かせる仕事を解説
美容師の年収に関する将来展望
美容師の年収は今後どうなっていくのでしょうか。業界の動向や社会の変化から、年収に関する将来の見通しを確認しましょう。
業界の人手不足と待遇改善の動き
現在、美容業界は深刻な人手不足に直面しています。全国の美容室数は26万軒を超えて過去最高を更新している一方、美容師の供給は追いついていません。この状況を受けて、多くのサロンが人材確保のために待遇改善に動き出しています。
具体的には、初任給の引き上げ(月給20〜23万円)、社会保険の完備、週休2日制の導入、労働時間の短縮などが進んでいます。かつては「休みが少なく給与が低い」というイメージが強かった美容業界ですが、年々働きやすい環境が整ってきています。
また、大手サロンチェーンを中心に、キャリアパスを明確にした人事制度の整備も進んでいます。入社何年目でいくらの給与が見込めるのかが明示されることで、将来の収入計画を立てやすくなり、長期的なキャリア形成のモチベーションにつながっています。
成長分野と新しい働き方
美容師の活躍の場は従来のヘアサロンだけにとどまりません。メンズ美容、福祉美容・訪問美容、海外展開といった成長分野が広がっており、これらの分野では高い報酬を得られるケースも増えています。
訪問美容は高齢化社会の進展に伴い需要が急増しており、出張費を含めた高単価の施術が可能です。また、日本の美容技術は海外でも高く評価されているため、海外サロンでの勤務や独立を視野に入れる方も増えています。
さらに、美容師免許を活かしてアイリストやヘアメイクアーティストとして働く選択肢もあります。美容の仕事の種類や将来性について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
▶ 美容の仕事にはどんな種類がある?職種一覧・資格・年収・なり方まで網羅的に解説
美容師に必要な資格について体系的に知りたい方は、こちらも参考になります。
▶ 短大と専門学校の違いとは?学歴・学費・カリキュラム・就職を徹底比較
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まとめ
美容師の平均年収は約370万円と全産業平均よりもやや低い水準ですが、役職や働き方によって収入は大きく変わります。スタイリストとして指名客を増やせば年収400万円以上、トップスタイリストなら500〜800万円、フリーランスや独立開業であれば年収1,000万円以上も十分に目指せる職業です。
年収が低いと言われる背景には、アシスタント時代の低収入や賞与の少なさ、離職率の高さといった構造的な要因があります。しかし、技術力の向上や関連資格の取得、SNSを活用した集客、待遇のよいサロンへの転職など、年収を上げるための方法は数多くあります。
美容業界全体で人手不足を背景にした待遇改善が進んでおり、美容師の年収は今後さらに向上していくことが期待されます。「美容師に興味があるけれど年収が心配」という方は、まずはどんなキャリアパスがあるのかを調べることから始めてみてはいかがでしょうか。



