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コラム
8.化学反応のプロフェッショナルを目指す貴方へ
2009.03.31
これまでに紹介したパーマネントウェーブ剤やブリーチ剤のように、美容に使用する薬剤の中には、生体物質との化学反応を伴うものもがあります。このようなものは、香粧品の中でも医薬部外品に分類されています。医薬部外品には、パーマネントウェーブ剤やブリーチ剤の他にも、生体内の細胞や酵素に作用する物質等が配合されている育毛香粧品や美白香粧品などがあります。育毛香粧品や美白香粧品を多量に使い過ぎても、それほど大きな障害を生じることはありませんが、パーマネントウェーブ剤やブリーチ剤はその使用法を間違えると、毛髪や皮膚に多大なダメージを与えることになります。化学実験と同様に安全を確保すること、すなわち、パーマネントウェーブ用の薬剤やカラーリングの薬剤の使用法を遵守し、お客様だけではなく作業者である美容師自身の安全を確保しながら施術することが重要です。美容師には、それだけ大きな責任があります。
「頭の上で何が起きているのか?」を通じて、化学が美容にとって重要であることが、少しは理解できたものと思います。化学反応を自在に操り、そして人を美しくすることが美容です。しかしながら、化学は美容を行うための重要なツールのひとつでしかありません。化学反応を操り、頭の上で表現するためには、「美しさ」を正確に捉える眼が重要です。「美しさ」を正確に捉えるためには、やはり人間を知ることが重要と思います。「頭の上で化学反応を操る芸術家」それが、私の定義する美容師です。