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コラム

5.架橋結合の組み換え(パーマネントウェーブ)

2009.03.31

パーマネントウェーブは、毛髪をカーリングロッドに巻くことから始まります。この作業をワインディングといいます。本学では、一年生の前期にこの技術を学びます。このワインディングを行うと、ケラチンの鎖の間に存在するシスチン結合は引き延ばされてしまいます。
この状態の毛髪に、チオグリコール酸塩やシステインなどの薬剤を作用させて、シスチン結合を解離させます。このシスチン結合を解離する薬剤を含む製剤をパーマネントウェーブ第1剤といいます。化学的には、水素原子を、シスチン結合を形成する硫黄原子に供与することで、その結合を解離させます。この作用は、チオグリコール酸塩の方がシステインよりも強く、強力なウェーブが要求される時に使用します。このような反応を「還元」といいます。
この「還元」状態では、ケラチンに特有の強さが失われたままの状態であり、お客さまの望むウェーブを保持することができません。そこで、カーリングロッドに巻かれた状態を保持できるように、シスチン結合を再結合させます。この時に使用する薬剤には、臭素酸ナトリウムや過酸化水素などがあります。これらの薬剤は、硫黄原子に結合した水素原子を奪い取り、シスチン結合を再生させます。このシスチン結合を再生する薬剤を含む製剤をパーマネントウェーブ第2剤といいます。このような反応を「酸化」といいます。なお、過酸化水素は、長時間作用させると、後述したようにブリーチ作用を生じることもあります。美容師は、お客様の希望する髪形や毛髪の状態により、使用する薬剤や作用時間等を判断し、パーマネントウェーブを施術しています。

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