本学について 自己点検評価

自己点検評価・改善報告書

平成18(2006)年度

I 建学の精神、教育理念

●建学の精神・教育理念について

学生に対しては、入学前の学校案内、入試説明会・事前面談や、年度始めのオリエンテーション、山野学苑創立記念講演や山野愛子ジェーン副学長の授業、ホームページ等で、周知徹底を図っている。また、学生通用口に建学の精神を掲げたパネルを設置することを検討している。教職員に対しては、建学の精神、教育理念と、それに基づく具体的な教育目標を、年度始めに明確に提示するとともに、「定例教授会」や、各種委員会等でも確認している。毎年夏季に開催する「教員研修会」では関連するテーマを決めて発表や討議を行っている。教職員と学生の双方に対しては、建学の精神と教育理念を理解する副読本として山野正義・理事長学長の著作「思えば叶う」「生きるほどに美しく」の2冊を必読文献として、読了後の感想文提出を義務づけ、理解を深める一助としている。

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II 教育の内容について

●教育課程について

各学科・専攻科における教育課程の見直し、改善・改革は次のとおりである。

1.美容芸術学科

平成18(2006)年度より、カリキュラムを変更して「写真技術」などの選択科目を充実させた。さらに平成19(2007)年度から「ヘアスタイリストコース」と「メイクアップコース」の2つのコースを設け、将来を見越したコースで学ぶことにより学生のニーズへの対応を目指すこととした。

2.美容保健学科

平成18(2006)年度から、「健康美容論」などの健康関連の必修科目をすべて選択科目に変更するとともに、「フィットネス&ビューティウォーク」等、学生のニーズに応えた科目を新設した。また、学生の就職先を想定した「ヘアメイクアーティストコース」と「エステ・ネイリストコース」の2コースを2年次から選択できるようにした。

3.美容福祉学科

美容福祉系科目の1年次生からの導入や、基礎ゼミの内容の再検討を計画している。なお、介護福祉士養成施設における教育内容の改定が予定されていることから、大幅な教育課程の見直しが必要になることが予測される。

4.専攻科芸術専攻

美容師免許取得者に対し、より実践的で高度な美容関連教育や美容室経営に関する教育を教授している。このために、学内の美容室でモデルの施術や学外の美容室でのインターンシップを実施して、学生に実地体験の機会を与えた。

5.専攻科社会福祉専攻

平成17(2005)年度の美容福祉学科カリキュラムの改正で、美容福祉学科および専攻科社会福祉専攻で必要単位を修得し、指定施設において1年間の実務経験を積むことにより、社会福祉士受験資格が得られるようになった。実質的には今年度から運用し実施した。

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●教育改善について

1.学生による授業評価の実施状況とその活用方法

学生による授業評価アンケートの結果は、授業を担当する教員に返され、翌年度の授業へと反映される。平成17(2005)年度からは、「授業に対する意見」欄を「授業の良かった点、改善すべき点」欄とし、授業改善のための情報として具体的に記載できるように改善した。また、講義科目と実習科目で異なる質問内容であったものを、平成19(2007)年度からは、教育内容を問う項目、教育技術を問う項目、全体を問う項目に分け、様式を統一することとした。また、チェック欄も学生が1問1問きちんと考えて回答できるように工夫した。なお、アンケート結果は自己点検評価・改善報告書に記載し、本学図書館に配置し、公表している。

2.FD活動及びSD活動等

平成18(2006)年8月7日に第5回教員研修会を、本学で行った(主管:自己点検評価・改善委員会)。内容は「平成19(2007)年度学生募集における経過と分析結果の報告」「短大の魅力と創造すべき魅力に関する本学学生と教職員の認識」「短大の魅力と創造すべき魅力に関する本学学生と教職員の認識」「介護福祉士養成に関する制度の変更とそれによる本学への影響」「本学の習熟度別クラス編成の事例からみるメリット・デメリット及び実施上の問題点」であった。活発な討論がなされたが、研修の成果をどのように教育改善に生かすかが課題であるため、来年度より教職員研修会等の成果を関係委員会等において検討し、結果を教授会に諮り学校全体の共通課題として取り組んでいくこととした。また、授業の質的向上を図るため、平成18(2006)年度より教員相互の授業参観を実施したが、実施体制等に課題が残り、今後検討を要する。

3.保護者(後援会)による授業参観

保護者(後援会)による授業参観を実施し、学習環境や教育改善に関する意見を伺う機会を設けている。

●その他の取り組み

1.単位互換制度

首都圏西部大学単位互換協定会へ参加している。平成18(2006)年度より東京都短期大学協会が主催している単位互換制度にも参加することとした。

2.能力別授業

本学では、習熟度に大きな個人差がみられる語学教育と美容実習授業において、習熟度(進行度)別の授業を採用している。

3.情報・メディア教育

美容室経営・運営に必要となる文章作成、表計算、プレゼンテーション資料作成からはじめ、画像処理ソフトウェアの取り扱いまでを学ぶことができる科目として、「美容室情報処理実習」、「情報処理」、「デジタルアート」を開講している。

4.国際理解教育

各学科では、ビューティーセラピーセミナー研修やショーの見学などのヨーロッパ研修旅行を、専攻科社会福祉専攻では、米国サンノゼのケアホームでの美容福祉体験旅行を必修科目として実施している。

5.インターンシップ

専攻科芸術専攻では、学内の美容室「YCA Beauty Salon」で、モデルとして募集した地域住民等を対象として美容実習を行っている。また、今年度から美容室でインターンシップを実施した。

6.特別授業

平成18(2006)年度は17名の美容、芸術、保健、福祉系などさまざまな分野の専門家、著名人を招聘し、特別授業を実施し、学習意欲の喚起を図った。

7.美容師国家試験対策

美容師国家試験への対策として、夏期休業期間、冬期休業期間中の美容実技指導、1月、2月の国家試験対策特別授業を継続的に実施している。

●まとめ

教育内容については、学生の満足度に直結する事項であるため、学科ごとあるいは全学的に重要課題として受け止め、様々な見直しの努力をしているところである。しかしながら現状に満足することなく、課題を真摯に受け止め、ますますの教育改善を目指す。

III 教育の実施体制

●教員組織について

専任教員は、設置基準よりも多く配置している。さらに美容実習、介護実習、英会話、情報処理やエステティック等、授業の準備に特殊な知識を必要とする授業が多く、助手の果たす役割は大きいため、本学では美容や介護、美術等の実習においてはそれぞれ一人以上の助手を配置している。また外国人教員が4人配置され、国際的な活躍のできる美容師を育成する役割や留学生サポートの役割を担っている。

●専任教員の教育研究上の取り組み

学生指導については、よりきめ細かい相談・指導体制の充実を目指すクラス担任・副担任、委員会活動における学生委員・留学生委員・就職委員、またサークル活動での顧問として、その役割を果たしている(研究についてはⅥ章をご参照いただきたい)。

さらに、本学の特徴のひとつとして、年3回のヘアショーの開催があるが、その準備段階では多くの教員が放課後や休日を利用して個人的に協力、指導に当たっている。同様に、美容コンテストなどの参加者に対しても、多くの教員が自らの時間を割いて指導を行っている。

また、美容師、介護福祉士の資格取得のサポートはもちろんのこと、色彩検定、ネイル検定等の資格取得へのサポートも関係する教員がきめ細かに行っている。特に美容師国家試験対策は全学を挙げて対応に当たっている。この他にも、休日を利用して学生とともに行うボランティア活動や授業やイベントに関連する相談など、それぞれの教員が個別に対応している。なお、これまでボランティアやイベントの参加報告が不十分であったため、平成17(2005)年度より新たに書式を用意し、参加者の報告を義務付けた。

●教育環境

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●まとめ

本学は設置基準よりも多くの専任教員を配置しており、きめの細かい教育の提供が特徴の一つでもある。今後、このメリットを最大限に生かす教育の実施体制の構築を目指す。

IV 教育目標の達成度と教育の効果

●単位認定

単位認定は、美容師法、社会福祉士及び介護福祉士法の法定課目については全出席であり、かつ期末試験(作品提出、レポート等含む)に合格した者(60点以上)に対して行っている。なお、実習系科目については授業回数に対する出席数が4/5未満の者、講義系科目については授業回数に対する出席数が2/3未満の者は期末試験の受験資格を原則として認めていない。単位取得状況は、全体的に良好である。

●授業に対する学生の満足度

本学では、学生を対象として、常勤・非常勤を問わず全科目で「授業アンケート」を行っている。個々の科目の集計結果は各教員に配布し、各自の授業改善に役立てている。また、学科別、講義系科目と実習系科目別に集計した結果は、教授会で報告され、本学の教育全体像把握に役立てている。また、評価項目において平均値3未満(1〜5)の評価が1つでもある授業科目をリストアップし、副学長が担当教員と面談を実施し、注意を促すなどの対応策をとり、自己点検評価・改善委員会に報告している。

全体の結果は、講義系では、「5.大変満足できる」と「4.満足できる」を合わせて、すべての項目で満足度が70%前後になっている。同様に、実習・実技系では、すべての項目で満足度が80%前後になっている。また、前年度との比較においては、満足度は講義系への評価がやや上昇し、実習・実技系への評価がやや下降した。

●退学等の状況と対策

休退学者の現状についてみると、年々増加傾向にあり、経済的な問題や進路変更に加えて近年友人関係を含め精神的な問題等で行き詰まり、休退学を余儀なくされるケースが多く見受けられる。現在、次の対策を講じている。

  1. 担任制度と実習部会の教員による個別の指導体制の確立
  2. 健康面や精神面の個別指導を保健管理室及び学生相談室で実施
  3. 本学指定の医療機関と連携した速やかな対応
  4. 学生担当学長補佐を中心とした情報の共有と対応
  5. 本学独自の奨学金制度

さらに学生の要望等を謙虚に受け止め、学生が満足できる充実した授業・学生生活を提供していくには何をどうすべきか、幅広く検討が必要である。

●資格取得の取り組み

現在、パーソナルカラー、アロマテラピー、レクレーション・インストラクター等の資格導入を検討している。

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●卒業生に対する評価、学生による評価

開学以来、就職率100%を維持しており、社会的ニーズに応えているともいえるが、今後、卒業生の就職先や編入先を対象に調査を行い、卒業生に対する評価の把握に努めたい。

平成18(2006)年10月と平成19(2007)年2月の同窓会(参加者215名)において、卒業生アンケートを行った。参加者に限った調査ではあるが、本学への評価は概ね良好と思われる。その一方で、平成18(2006)年度卒業生を対象に行ったアンケート調査では、時間割や講義内容、教員の接し方等に関して、改善が必要と思われる回答も少なくない。より実情を把握するための調査の検討が必要と思われる。

●まとめ

休退学者対策のシステム作りを進めているところであるが、今後まだまだ検討が必要と思われる。そのためにも、学生の意向等の現状を正確に把握するための調査の検討が望まれる。また卒業時アンケートの結果では、早急に改善を要する点の存在を示唆するものも含まれており、その対応の検討が必要である。

V 学生支援

●入学に関する支援

入学志願者に対して、建学の精神や教育目標、選抜方法等については、学校案内、本学ホームページで提示している。

入学までの組織体制は、理事長直属の学生募集対策本部、学内組織の広報委員会、入試試験委員会が連携し、事務組織としては、広報活動に関しては広報課が、入試関係については教務課が担当してきた。平成19(2007)年度からは、入試課(入試センター)を新設する予定である。

早期AO入学試験内定者に関しては、オープンキャンパス、学苑祭などの学校行事に参加するよう呼びかけるとともに、学習意欲の維持や学力向上を目的とした自由課題のレポート及び問題集(美容、福祉に関連した知識を盛込んだもの)を配布している。今後は、内定から入学までの期間を考慮した、入学前教育のいっそうの充実を図る必要がある。入学生に対しては年度始めに2日間のオリエンテーションを行い、履修指導の時間を設定している。またクラス懇談については充分に時間を取り、新入生の不安を取り除けるよう留意している。

●学習支援

習熟度別クラス編成について、第5回教職員研修会(FD/SD研修)で事例発表を行うなど積極的に討議を重ねているところである。特に美容実習については上位クラスを設定する方向で検討しており、平成19(2007)年度よりモデルケースを実施することとしている。国家試験科目については、模擬試験等により対象者を判定して特別に指導を行っている。留学生については日本語読解の授業を美容師国家試験に対応した内容としている。

学生の学習上の問題、悩み等に対する指導助言のための取組みとしては、クラス毎に担任及び副担任を配置し、学生生活全般にわたる相談や指導にあたっている。また、学生と担任のコミュニケーションの充実を図る目的でクラス懇談会の開催とその報告を義務づけている。なお、飲食代などに充てるものとしての懇談会学生指導費を支給している。

長期欠席者への支援としては、平成18(2006)年度より出席状況の管理システムを構築した。まず、学生の出席状況は各教員に配布されているPDAから教務システムへ入力される。学生との接触が最も多い美容実習部会および介護系担当教員は、出席状況に問題のある学生をクラス担任・教務課・学生課へ連絡する。クラス担任は教務システムから当該学生の出席データを確認し、保健管理室からの報告と合わせ、面談などの学生指導を行う。また、欠席の多い学生とその保護者に対して指導文書を発送している。

長期入院などの事情がある場合には、クラス担任より各授業担当者へ連絡している。長期欠席により授業に遅れが出た場合は、各教員の判断により補習、課外授業、特別課題などを行っている。

その他、学生からの要望や意見、悩み等についての相談を受けるための体制として、オフィスアワーの設定、学生担当学長補佐の配置、保健管理室の設置をしている。

●学生生活支援

学生生活を支援するための組織としては、学生担当学長補佐、学生委員会、留学生委員会、クラス担任制度、保健管理室(学生相談室、保健室)がある。事務組織としては学生課が担っている。また、弁護士(資格を有する非常勤教員)による法律相談や、学生が意見や提案を直接学苑長宛にEメールで送信できるムーブアップキャンペーン等を実施している。その他に、学生の保護者を会員として発足した後援会、本学卒業生の親睦を図るとともに、本学を支援することを目的とした同窓会が、設置されている。

本学の約5割の学生が実家を離れ、アパート・マンションで学生生活を送るため、「住まいのガイドブック」を作成し、住まい探しの一助としている。

スクールバスは授業の時間に合わせて、3台がJR八王子みなみ野駅と本学を往復運行している。朝夕の運行ダイヤに関して学生からの不満が多かったため、平成18(2006)年度から京王バスにスポット運行を依頼して便数を増発した。

また、自動車通学、自転車、バイク通学者のために駐車・駐輪スペースを設けている。

●学生の活動

1.サークル活動

平成18(2006)年度は23サークルが活動している。各サークルには顧問として本学専任教員がつき、活動に際して助言・指導を行っている。美容師養成施設である本学は、他大学に比べ授業が過密であるため、各サークルとも活動時間や部員の確保には苦慮している。このような厳しい状況の中でも、バスケットサークルが第47回都私立短大体育大会に参加し、女子部が準優勝、男子部が3位の好成績をあげるなど、活発な活動を行っているサークルもある。今後は、こういった活発な活動については大会出場に必要な経費を支援していくことを検討したい。

2.学友会の現状

学友会役員はクラス委員とともに討議を行い、学生の要望、意見を短大の施策に反映させる役割を持つ。

主な活動には、体育祭と学苑祭がある。また、本学で学んだ技術を発表する場として、平成11(1999)年度からヘアショーを開催している。学生の企画で始まったこのショーは、当初の学苑祭ショーに加えて、新入生歓迎ショー、卒業生送別ショーと、年3回開催されるようになってきた。先輩・後輩の交流や、留学生との交流と合わせて、学校全体の連帯感を生み出す大きなイベントとなっている。

●奨学金制度

本学独自の奨学金制度には、経済的理由により、学納金を納めることが困難と認められた者を対象とする山野愛子奨学金、美容福祉学科在学生で、成績優秀者、社会・文化スポーツなどで顕著な功績をおさめた者を対象とする美容福祉特待生制度、留学生を対象とした授業料減免制度がある。

なお、平成19(2007)年度入学生から、美容福祉特待生制度は3学科を統一した新制度「山野美容芸術短期大学奨学生制度(A種・B種)」へ移行する。

●進路支援

就職支援組織としては就職委員会があり、事務組織としては学生課があたっている。

就職情報提供として、就職のしおり等の作成、就職ガイダンスの開催、求人票の公開、個別相談等を行っている。就職担当職員が常駐する就職相談室には、会社説明会の掲示板や閲覧可能な求人ファイル、PCを設置し、学生が自由に就職先を検討できるよう整備している。また、会社訪問のために卒業生の就職先一覧も閲覧可能としている。なお、一般企業への就職、一般企業からの求人とも年々増加傾向にあるため、一般企業のファイルを別に用意するほか、筆記試験対策や面接対策についても対応している。

同様に進学・留学希望者に対しても、大学の募集要項や留学に関するパンフットを置き、情報提供を行っている。

●表彰制度

卒業式において、優秀な学生に対して表彰を行っている。これは学業の面だけでなく、ボランティアや学友会等の課外活動において、顕著な活躍をした学生も対象としている。平成18(2006)年度は理事長賞(成績優秀者、各学科1名)の他に、学長賞として成績優秀者、ボランティア等に貢献した者、学外コンテストの入賞者等、他の学生の模範となる学生31名に対し、表彰状及び記念品を授与した。

●まとめ

学生支援に関しては、様々な分野での改善を推し進めてきたところである。学習支援、学生生活支援においては、学内関係組織の機能的連携ができるシステムの構築を目指す。

VI 研究

●教員の研究活動とその学外公表等について

研究は、個々の教員、学内の複数教員、本学教員と学外組織・学外研究者等による取組みなど、様々な形で実施されている。しかしながら、学外への発表及び公表は一部の教員に留まっている現状がある。現在、本学教員による研究活動の成果は、自己申告等に基づき、本学ホームページや外部機関(ReaDや国立情報学研究所紀要ポータル等)に掲載しているが、公表されている研究業績は多くない。また、オープンキャンパスにおいても研究成果の一部は公表している。本学教員の研究分野は、美容や芸術のように一般的な学術雑誌等に掲載できる分野に留まらず、本学の教育に係る研究まで多岐にわたる。そこで、本学独自に学苑広報誌や研究紀要の充実を図ることにより、教員の研究成果の外部公表を活性化することを予定している。

●研究に対する支援等について

学則の研究費支給規定に基づき、個々の教員に研究資金(個人研究費)を支給するとともに、個人研究費の範囲では実施困難な研究に対しては、特別研究費を設定し、研究の推進を支援している。この特別研究は、複数教員が連携して、本学の教育に係る研究を実施することが多い。そのことから、私立大学等経常費補助金の対象としても数件採択されている。一方、科学研究費補助金については、申請者は数名いるものの、採択には至っていない。

研究資金による機器、備品等の購入は、概ね各教員からの申請に従って行われており、研究費の9割が消耗図書と消耗品に使用されている。

研究推進のために、講師以上の専任教員に対しては、原則として、個別の教員研究室を配置している(一部共用あり)。その他に複数教員による共同研究を推進するために、共同教育・研究センター、消毒室、薬品保管庫を設置するとともに、各教員の専門に応じた美容室、科学実験室、美術用木工室(教室兼用)を整備している。そして、教員の研究時間は学則に基づき、研究日を設定(教授、助教授、講師は1週のうち1日、助手、助手補は隔週で1日を超えない範囲)し、確保することとしている。また、共同教育・研究センターによって学内研究発表会が開催されている。本会は研究活動を活性化に貢献しているものと推察され、今後、研究の質の更なる向上に寄与することが期待される。

●まとめ

上述のように、研究資金、研究環境、研究発表の機会等の基本的な整備ができている。そこで、これまで一部の教員に留まりがちであった研究活動について、充実を図るために、学校全体としての取組を始めたところである。今後、研究委員会を中心とした研究状況の把握と研究の質の更なる向上を目指す支援により、本学の研究が充実する事を目指す。

VII 社会活動

●社会活動の方針

本学の理念・目的の達成のためには、美容技術や介護福祉技術を社会の中で実践することが必要とされている。そのため、教育・研究の中で社会的活動を取り入れるとともに、美容および美容福祉を研究・教育する唯一の短期大学の特徴を活かしたボランティア活動等に、社会活動として展開している。このような学外における活動(正課および正課外)は教育活動の一環として積極的に取り入れている。主な学生の社会活動は介護施設等で、美容技術(化粧、ネイル、着付け)を用いて、高齢者、障がい者のおしゃれや、身だしなみに着目し、QOLの向上に役立つサービスを提供するものから、美容技術を活かした各種ステージでのメイクアップや市民活動におけるネイルカラーなど多岐に及ぶ。一方、教員による社会活動では、化粧法の講習会や上記学生の引率・指導などが挙げられる。

●公開講座・授業の公開等について

今年度より、本学が主催し、「美容と健康のワークショップ」(公開講座)を8月22日と27日に開催した。これは、地域社会への社会還元、特に子供から大人まで美容教育の展開を目指したものである。これらの活動は、今後も継続的に実施する予定である。

その他には、例年通りに、一般・社会人を対象とした八王子学園都市大学(いちょう塾)への公開講座の提供(2件)、正規授業の開放(5科目)および、首都圏西部大学単位互換(7科目)を提供し、地域社会との連携した取組を実施している。その他に、小中学生の総合学習に対応した授業、高校生を対象とした進路選択のための授業等は随時受け入れ、実施している。

●本学施設の開放等

上記の公開講座等の他に、学苑祭(地域社会への案内送付)や茶道裏千家の「今日庵東京研修道場」を復元した茶室の開放(体験入学、学苑祭、海外等の研修や本学見学者、近隣の高校の茶道部に開放(本年度より)を行っている。平成16(2004)年に本学内に開設した美容室YCA Beauty Salonは、高齢者や障がい者の利用および、専攻科学生のためのカットモデルとして地域大学の学生や市民の方が利用している。このような活動は、地域社会との交流のキッカケとしての機能も果たし始めている。

●社会人の受け入れとその体制

社会人経験者を対象とした社会人入試を設けている。また、社会人がゆとりを持って学べる長期履修生を認めている。しかしながら、法律上で長期履修による美容師資格取得が無理であることから、長期履修生に関する規程を活かした教育活動は活かされていない現状がある。

●地域社会との連携について

八王子学園都市推進会議・八王子学園都市大学(いちょう塾)・八王子産学公連携機構などの地域大学間の連携に関する組織活動には積極的に参加している。

●学生の社会活動について

一般的なボランティア(社会福祉活動等)に加え、他大学のショーなどにおける美容スタッフやなどがあげられる。ボランティアには正課外活動に加え、正課活動(学外授業)として行うものも多く、実践及び理解の場として重要な意味を持っている。これらのボランティア活動の参加学生数は、のべ343名になる。他大学にない美容という特徴を活かした地域活動、地域貢献或いはボランティア活動等は、社会で高く評価されることには疑いの余地はない。

なお、ボランティア活動の要請への対応や活動の把握は学生課・教務課が担当し、必要に応じて経費の負担やスクールバスの提供、ボランティア保険に加入など、積極的な参加支援を行っている。この他、卒業時に授与される学長賞や特別賞などの選定の対象事項とするなど、学生の参加意欲の向上にも努めている。

●国際交流について

韓国、台湾を中心に、7校の大学と教育学術交流協定締結し、国際交流に努めている。しかしながら、美容師法に則ったカリキュラムの性質上、在学中の海外派遣等は困難であるため、開学以来、派遣の実績はなく、教員の交流に留まっている。

一方、美容芸術学科、美容保健学科の1年生は、ヨーロッパへの海外研修旅行を実施し、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション等を見学し、美容福祉学科の 2年生は、アメリカのサドルバックカレッジ、高齢者が自立してすむレジャーワールド等を見学し、学生が見識を深めるように努めている。

また、アメリカンスクールの生徒が本学で着付け、茶道、美容を体験する際に、学生が授業で学んだ知識を活かしながらサポートしており、その交流は年々深まりつつある。

●まとめ

本学は多方面において積極的な社会活動を行っており、その社会的な評価も高いものと自負している。なお、学生のボランティア活動については、事前・事後教育の充実などを含めて、学生にとってよい教育の場となるように努めることが必要である。また、社会活動関連業務を受け持つ機関である国際生涯学習センターをはじめとする各機関の連携が重要であり、より充実した内容となるよう検討している。

VIII 管理運営

●法人組織の管理運営体制と本学の関係について

山野学苑理事長は、山野美容芸術短期大学学長を兼任している。理事長は、教授会の際に学校運営の方向付けに関して提言する等、適切なリーダーシップを発揮している。本学には重要事項を審議するために教授会が設置され、その議長は学長が務める。教授会の議決事項は、これを法人事務局に通知する。理事会には本学教職員の中から2名が理事として選出されている。本学の意向はその理事を通じて理事会に反映されている。理事長は理事会議長として、本学教授会において審議された重要事項について、評議員会の意見を聞き理事会で決定している。なお、理事会についての寄付行為上の規定、幹事の業務についての寄付行為上の規定、評議員会に着いての寄付行為上の規定等については省略する。

●教授会の運営体制

教授会は、8月を除く毎月1回、定例教授会を開催している。学長は教授会において、学内における問題点の指摘、今後の教育方針等について発言している。この発言は、拡大教授会のメンバーに加え、助手、職員にいたるまで拝聴している。学長が強調していることは、「大学は学生が主役」であり、教職員は学生たちを社会に貢献する人材として送り出すためのサポートであると位置付けられている。したがって、学内全ての活動は学生のために行われなければならないとの趣旨で、全教職員に理解され浸透している。学長の発言を受けて、教授会は、各委員会から提起される案件を審議・決定している。なお、教授会については、学則上の規程と教授会の開催状況等が一致していないケースも見受けられるので、今後改善を進めることとする。

●委員会等の運営について

本学には13の委員会と3つのセンターがあり、各教員が複数の委員会等に所属して活動している。各委員会等は、概ね月に1度の定例会議、必要に応じた会議を開催しているが、中には活動休止状態にある組織もあり、改善の必要性がある。また、美容師養成施設である本学は、法定課目授業時間を確保するために、極めて過密なカリキュラム構成となっている。その結果、教授会及び各種委員会に、授業を優先するために出席できない教員が毎回数名ずつ出ている。このため、教授会及び各種委員会に出席できなかった教員に対しては、学科長・委員長等から口頭または文書で連絡を徹底して、決定と方針について意思統一を図っている。

●事務組織と運用等について

事務組織は、4課、3室の体制で各種規程に基づき運営されている。各課・各室の活動は、務局運営会議、事務局会議において事務職員全員に周知徹底し、連携を図っている。このような体制のもとで、事務職員は、教授会をはじめとする各種委員会において、教員と討議・調整していくことにより信頼関係を築いてきている。また、学生に対しても、学友会・クラブ活動・課外活動等の調整、学生相談や健康管理、奨学生や留学生の援助、就職活動の支援等で学生生活をサポートしている。このように、大学に携わる全ての人々との信頼関係を築いている。

全事務職員は年1回のFD/SD研修のほか、年1回法人事務局、専門学校等との合同SD研修に参加している。また、外部研修として、全国理容師美容師養成施設教職員研修会、東京都私立短期大学協会研修会、日本私立短期大学協会研修会等に参加している。さらに、事務職員のスキルアップを図るため、担当業務に関するセミナー参加や資格取得には、経費を負担し、事務の円滑化に配慮している。なお平成19(2007)年度からは入試課(入試センター)を新設する予定である。

●教職員の人事管理等

本学では保健管理室の指導の下、毎年4月に定期健康診断を行い、健康管理をしている。衛生委員会により、就業環境の維持管理、健康教育や相談等教職員の健康の保持増進を図っている。就業時間に関しては、業務の繁忙な時期によっては、所定の労働時間に終わらない場合があるが、基本的には法定労働時間を順守し業務を行っている。一方で、学生数確保が困難な時代背景等から、授業以外の教職員の負担が増えていることは現実問題としてある。授業や研究のための時間確保や、学校業務に費やした時間に対する評価が課題であり、教員評価制度の導入を検討している。なお、本学は開学以来教員の雇用保険は未加入であったが、厚生労働省およびハローワークの指導により、平成17(2005)年度から加入した。

●まとめ

理事会の方針のもと、法人組織、教授会、本学事務組織の3者が協力し、一部に規程との不一致や課題等が見られるが、本学の運営は大きな問題を生じることなく運営されている。課題の改善を行うとともに、FD/SD研修によるスキルアップ等により、よりよい管理運営体制が構築される事を目指す。

IX 財務

●財務運営について

現在、学苑経営は重大な局面を迎えている。高等教育の大衆化、多様化、価値観、教育観の変遷に伴う社会的ニーズの変化、少子化による学生確保の厳しさ等々、問題が山積している。このような状況下で、本学苑を維持・発展させていくための経営施策の基本は、学苑創始者である山野愛子が提唱した「美道」を軸に、美容・健康・福祉を総合的に追求し、美容師の資質向上及び美容界および、福祉の発展に寄与してきたところだが、これを更に推し進めることが基本方針である。さらに、資金運用、寄付金(特定公益増進法人山野愛子生誕100周年事業等募金)等の活動、保有資金を活用した投資、電子決済等の導入による事務の効率化等を推進し、財務運営をご参照いただきたい。その他に、財務の公開については、学苑広報誌(年4回発行)7月号において、前年度決算報告書消費収支計算書の概要を記載し、後援会、在学生、関係機関等に公表している。また、法人事務局経理課に計算書類・財産目録等を備え置き、申請があれば閲覧できることとしている。

●施設管理等について

学長は、防火管理者として選任し業務を行わせる。防火管理者のもとに、各階等ごとに火元責任者を指名し、建物及び消防用設備等の自主点検、検査を実施する。火災、地震等の災害が発生時は、事務局長を自衛消防隊長とする自衛消防組織を編成し活動する。消防用設備等の点検や、防災教育(4月・9月)及び訓練を実施している。また、災害活動相互応援協定に従って、近隣施設との合同の訓練を実施している。

学内警備、駐車場管理、防火管理などの安全管理については、校外業者との保守警備契約により常駐警備員を配して防犯対策に当てている。合わせて教職員等も校内及びその周辺を巡回し防犯対策にあたっている。また不審者等が構内に入ったと思われた時などは緊急に対処し、その状況を文書により回覧し注意を喚起している。

その他に、「省エネルギ-・省資源対策推進会議省庁連絡議決定」に基づき、冷暖房の温度設定を冷房28度、暖房20度とするよう協力依頼の表示を学内各部に掲示している。その他、ゴミの減量と分別に関する資料を配布、回覧する等、地球環境に対する理解と配慮に努めている。来年度に向けて具体的な削減の目標値の設定を検討している。

X 改革・改善

●自己点検・評価の現状について

平成3(1991)年7月の短期大学設置基準の一部改正に伴い、短期大学に「自己評価等」という項目が加わり、自己点検評価と公表が義務付けられた。本学では、教育・研究の水準向上と本学の目的および社会的使命の達成には、自己点検・評価とそれに基づく改善が必須であると考え、具体的方策の実施並びに将来計画について必要な課題を審議検討するための「自己点検評価・改善委員会規程」を整備した。委員会の構成は、学長を中心として、副学長、学科長、専攻科長、および専任教員の中から教授会において推薦された者と、事務局長をもって組織している。

現在、自己点検・評価に関するワーキングチームを設置し、改善の指針となるべき報告書の作成している。本報告書による問題提起を基に、改革・改善に努力する。

●自己点検・評価の公表

自己点検・評価報告書は、本学教職員、山野学苑内各機関、本学図書館に配付され、本学図書館では閲覧が可能である。

●自己点検・評価の今後について

自己点検評価に関わった教員職員は、主として自己点検評価・改善委員会のメンバーである。当委員会では毎月1回の定例会議を開催した。今後もこの委員会が中心となって自己点検評価を推し進めて行くことになる。しかし、自己点検、評価、改善は全教職員が真摯に向かい合うべき事項であることは明白である。学長から助手、事務職員にいたるまで全学で関わっていくことが望ましい自己点検評価の結果は、報告書によって教職員全員に周知している。教職員は自己点検評価された内容について各自で再確認し、教育・研究の水準向上に役立てていくこととなる。これまでに、自己点検によって改善された一例を挙げるならば、あいまいであった各学科の教育目標が明解なフレーズになったことがある。この改善により、具体的な目標を持った授業内容の検討や、学生への教育目標の周知が可能となった。しかしながら、問題点はまだまだ山積みである。ひとつずつ確実に解決していく必要がある。

現在、本学図書館での閲覧以外では、自己点検の内容については公開していない。今後は外部への公開を検討する必要がある。なお、相互評価、外部評価は実施していないことから、自らについて点検・評価において、その客観性・厳格性に疑問が残る。今後は、単なる自己点検にとどまらず、評価結果を改善につなげていく仕組みを強化するためにも、相互評価又は外部評価及び第三者評価を前提とした自己点検評価を実施していくことが必要である。

現在、本学では短期大学基準協会による平成21年度の第三者評価実施に向け、改善点の洗い出しを行っている。そのため、本学では、自己点検の項目を短期大学基準協会の示す評価基準に準じて設定している。基準協会による第三者評価は、短期大学の主体的な改革・改善への気運を促し、その教育研究の水準向上を目的としていると理解している。これらの要改善点をひとつずつ解決することで、教育理念に沿った質の高い教育および教育環境を目指している。

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